電子マネーから、仮想通貨へ。これからは、ビットコインやリップルなどの仮想通貨が世界の基軸通貨になる?!

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電子マネーの動向

今や一人一枚以上は持っているであろう電子マネー。

近年、電子マネーの発行が相次いでいる。従来、Edy(エディ)、Suica(スイカ)、そしておサイフケータイのiD(アイディ)/DCMXといったところが中心だったのが、2006年秋にはJCB系のQUICPay(クイックペイ)、2007年3月に私鉄系のPASMO(パスモ)、そして5月にはnanaco(ナナコ)、WAON(ワオン)といった流通系の電子マネーが揃って参入している。

電子マネーとして最近利用されているものの多くはカード型または携帯電話への組込み型(おサイフケータイ)であるが、これらはいくつかの特徴によって分類される(図表1)。

1. 携帯性
初期の電子マネーは基本的にインターネットの中で完結して流通していたが、現在普及している多くの電子マネーは対応端末のあるリアル店舗に持っていけば利用可能である。
2. 汎用性
EdyやSuicaは対応端末のあるさまざまな系列の店舗において利用可能であるのに対し、流通系のnanaco、WAONといったカードはそれぞれのグループ系列の店舗以外では利用できない。
3. 支払方法
Edy、Suicaのように事前チャージが必要なものとQUICPayやDCMXなどのように後払いが可能なものに大別できる。
4. 兌換性
リアルの貨幣との交換であるが、多くの電子マネーにおいて現在不可能である。仮想世界である「セカンドライフ」のリンデンドルはドルとも交換可能という点でユニークな存在である。

図表1 主要な電子マネーの特徴比較

電子マネーの特徴比較

出所:各事業者の発表資料などを基に三菱総合研究所作成

電子マネーの普及状況については、各社プレスリリースによると、Suicaが2000万枚(2007年4月)、Edyが3000万枚(2007年5月)を突破している。また、実際の利用の面でも、nanacoの月間利用件数が約3000万件(2007年6月)となっており、浸透しつつあることがうかがえます。

電子マネーと仮想通貨の違い

電子マネーとは、紙幣や硬貨を使わないで、電子的に(=データのやりとりで)決済を実現する手段の事です。オンラインで決済を実行するタイプもあれば、最近主力になりつつある非接触型の決済方法もあります。電車に乗るときや、コンビニでの支払いに利用するものです。

すでに日常生活に浸透しつつあるしくみですので、多くの方が実際に利用したことのあるものだと思います。小銭を財布から出す手間もかからず、非常に便利です。

ビットコインやリップルも、電子マネーとして使える特徴を持っています。そもそもビットコインやリップルは紙幣や硬貨が存在しない仮想通貨なので、電子マネーとして使えるのは当然のことです。

では、ビットコインやリップルは電子マネーなのか

ですが、ビットコインやリップルを説明する際に、電子マネーであると説明するのは強引です。

bitcoin

現在一般的に利用されている電子マネーは、基本的にはその地域で使われている通貨を使って電子的に決済を行うために存在しています。

日本国内の例であれば、円での支払いをより便利にするために、円の紙幣や硬貨の代わりとして電子マネーが活躍します。そのため、利用者は所有する円を電子マネーの端末に入金したり、あるいは電子マネーでの支払いの際に利用される銀行口座にお金を入れておくことになります。

紙幣や硬貨を利用せず、電子的に決済を実現していますが、実態としては円という通貨をやりとりしていることには変わりありません。

例えば、リップルは、何らかの端末に円をチャージするというものではありません。
リップルを利用して商品を購入する際には、まず手持ちの円という通貨をリップルという通貨に両替しなくてはなりません。円をリップルに両替してはじめて、リップルでの支払いが実行できるのです。

両替をしたその後の支払いの流れは、一般的な電子マネーと同様です。リップルでの支払いを受け付けているお店で、電子的にリップルでの決済を実行します。すると、自分の所有しているリップルが減り、お店の所有しているリップルが増えます。

リップルは、通貨です。円やドルと違って仮想ではありますが、通貨です。電子マネーとは、貨幣を使わないで決済できるようにするしくみのことです。仮想通貨=電子マネー、ではありません。

なぜ仮想通貨は世界の基軸通貨になり得るのか?

中央機関に依存しない

仮想通貨は従来のお金のように中央機関に依存していません。政府や中央銀行が仮想通貨を発行しているわけではないので、供給量を自由自在にコントロールしたり、トレードするにあたって特定のグループに有利になるような規制(例えば空売り規制等)を掛けたりすることができません。

中央機関がコントロールしていることをCentralization と言いますが、このように中央機関を置かないことをDecentralizationと言います。

個人が国などの強大な力と戦おうとしても勝てませんから、中央機関を信用できない場合には中央機関がいないところにあらかじめ通貨価値を移しておくことで中央機関の支配からヘッジ(守ること)することができるのです。

世界通貨で国の概念が無用になる

国が違えば使用している通貨(法定通貨をFiat currencyと言う)も違います。そのため、別の国に行く場合にはその国の通貨に両替しなければいけません。為替レートは日々変動し、両替自体にも手数料が掛かりますので、レートによっては価値が目減りしてしまいます。

しかし、仮想通貨には国境はないので、取引相手が受け付けてくれる限り、国が違っても両替することなく使用することができます。すると、いまあなたが住んでいる国は関係なくなります。

ハイパーインフレ時にも対応できる

仮にある国が借金を返すためにデノミ政策を行い、通貨がハイパーインフレに陥ったとしても、あらかじめ仮想通貨に変えておけば、通貨の価値を短期的に守ることができます。

銀行のように週末に預金封鎖が行われてもお金が引き出せなくなるようなことはありません。なぜなら、仮想通貨の世界ではあなたの銀行はあなた自身だからです。究極的には仮想通貨を脳内に保管しておくことも可能です。

最後に・・・

2008年のリーマンショック以前、米欧の3大債券格付け機関のすべてが最優良のトリプルA格をつけている国債の発行残高の総額は11兆ドルだった。現在、その額は4兆ドルまで減っている。リーマン危機前に3機関ともトリプルA(トリプルかける3で「ナインA」と呼ばれる)をつけていた米国、英国、フランスなど先進諸国に対し、格下げを行う機関が相次いでいる。

キプロス危機(※1)のように、財政赤字が続く日本でも、将来、銀行預金への課税とか、極端な場合には預金封鎖という「禁じ手」が行われる日が来るかもしれない。そんな時、あなたの財産を救えるのは、仮想通貨かもしれない。

※1 キプロス危機
ユーロ圏に属するキプロス、地中海に浮かぶこの国もアイルランドやギリシャと同様財政危機に見舞われ、金融機関の救済が必要となっていることは 、読者も先刻ご承知の通りである。今回、欧州連合(EU) のユーロ圏財務相会合において、そうしたキプロスに対して100億ユーロ(1兆2500億円)の金融支援を行うことが決められたが、それと引き換えにキプロスの全ての銀行預金に対し 、最大で9.9%の特別課税(貯蓄税)を付加することとなった。
これを受けて、キプロス政府は課税分を保全するために、16日、全銀行口座からの引き出し額を制限する預金封鎖を開始した。

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